格闘漫画の現実ではありえないシーンを解説!

スマイルキック代表の土屋です。

格闘家というと怖いイメージがあると思いますが、意外と漫画好きが多く、漫画の影響を受けて格闘技を始める人も少なくありません。

ただ、過剰表現やネタも多く捉え方を間違えると『勘違い』しやすいのも格闘漫画の特徴です。

今回は、格闘漫画で現実ではありえない少し面白いシーンをご紹介します。

グラップラー刃牙

超王道格闘漫画です。

自分もこの漫画の影響は大いに受けました。

格闘技だけに限らずあらゆるシーンでの『強さ』を求める人を描いているので、強くなりたい人は必見の漫画になっています。

グラップラー刃牙でのありえないシーン

登場人物は全てボディビルの世界チャンピオン並みにムキムキ

主役級は別として、ヤンキーや一般人まで物凄いムキムキで、メロンのような肩、ふくらはぎくらいデカい前腕、そして胴体くらいデカいふくらはぎ|д゚)

実際にあのくらいの肉体になるには、ハードなウェイトトレーニング以外に高タンパクの食事やプロテインなどを高回数で大量に摂取する必要があると言われていますが、ウェイトトレーニングをやってるキャラがあまりいないのと、食事も意外と質素だったりします。

 

ムエタイ選手がめちゃくちゃ弱い

ムエタイ5冠王ですら、全てのパンチ・蹴りをデコピンで受けきられ、デコピンによって倒されます|д゚)

ムエタイは立ち技最強と言われる格闘技で、チャンピオンともなれば、まともに入れば腕も折れるレベルの蹴りを打てますが、この漫画においては赤子同然の打撃に成り下がっております。

 

首の神経を切られると目が見えなくなる

視力をつかさどる神経は脳神経の2番目・視神経ですが、頭の中を通っています。

首の神経群を頚腕神経叢といいますが、主に肩~手にかけての感覚や運動を支配しています。

もし、首の神経を切られたとしたら目は見えるけど、片方の上半身が痺れる、または動かないってことになりますので、それはそれでツラいですね|д゚)

 

14kgの砂糖水を一気飲みすると身体が復活する

作中では、主人公が毒に蝕まれた時に、14kgの砂糖水を一気飲みすることで毒素が消えて完全復活するというシーンがあります。

実際に14kgの砂糖水を一気飲みすることも不可能ですし、仮に飲んでしまった場合、急性水中毒や低血糖症を引き起こして、最悪の場合は死ぬことになります|д゚)

刃牙では、炭酸抜きコーラも推されているドリンクですが、糖質が多い水分は本当のアスリート以外が飲んでも単に太るだけですので、真に受けない方がいいでしょう。

 

はじめの一歩

こちらも王道のボクシング漫画です。

現代人でボクシングをやってる人で読んだことがない人はいないくらいの有名な漫画です。

はじめの一歩でのありえないシーン

ボクシング選手なのに胸筋がデカすぎる

そもそも、作中のキャラクター、特に主人公の身体はフェザー級にしてはありえないくらいのバルク(筋肉のデカさ)です|д゚)

基本的にボクサーは、ウェイトトレーニングを重視せず、激しい減量があるのでバルクが大きくなることは滅多にないのです。

また、胸筋はパンチの際にあまり優位に働かない筋肉で、逆に発達しすぎると重くなり、計量の際のデメリットにもなるので重視はしないのです。

 

熊相手に素手で殴り勝つ

一説によると、人は猫(オオヤマネコ)にも勝てないといわれています。

作中では、体長2mほどのツキノワグマ(実際には最大種でも180cm)相手に渾身のパンチを当てて気絶させています|д゚)

実際に、クマが本気で襲ってきたら、例え金属バットを持っていても気絶させるレベルのダメージを与える事は不可能です。

過去の事例では、クマに襲われた人が1発で首を飛ばされた事があったそうで、漫画を見た人が動物の力を軽視しなければいいなと思います。

 

喧嘩商売

リアルファイトを描いた漫画で人気の秘密は現実で本当にあり得そうなリアルな描写です。

いろいろと危ない漫画でもあるので、健全な子供は見てはいけません|д゚)

喧嘩商売でのありえないシーン

反撃ができない連続技・煉獄

煉獄とは、簡単いうと5手からなるコンビネーションを7種類=全35手の打撃で相手を一方的に攻め続け、倒れようとしても煉獄による追撃によって身体を起こされてしまうので、煉獄が終わるまで倒れる事もできないという恐ろしい技。

実際に永続的に攻撃を当てる事ができる状況というのは、相手が逃げられず平衡感覚を失っている状態=自分の真正面に相手がいて、顔の中央にまとまった素早く強いパンチのコンビネーションでないとならないので、どう見ても現実的には2、3手で途切れてしまう思います|д゚)

煉獄の35手のコンビネーション解説

※技名は分かりやすくキックボクシング名にしています。

 

①右裏拳(腹)→右裏拳(顔)→右裏拳(金的)→右肘打ち→右手刀(顔)

これ全て右腕です。難しいとかの前にコンビネーションとしての効率が悪すぎます!

 

②左ボディブロー→右肘打ち→両手突き(顔・金的)→右手刀(首)→左ボディブロー

ボディで始まりボディに終わる。斬新なコンビネーション。

 

③右ローキック→右ミドル→右前蹴り(膝)→右踏みこみ(足の甲)→右ハイキック

これも全部右です。ジムに入って最初に注意される蹴りだけコンビネーションです。

 

④左前蹴り(膝)→右ミドルキック(金的)→右前蹴り→左膝蹴り→右飛び膝蹴り

蹴りだけコンビネーションは実用性ないですね。

 

⑤右縦肘打ち→右手刀(側頭)→右裏拳(頭)→右膝蹴り→右ミドルキック(金的)

これも全て右。これだけ右だけだと見た目も悪いです。

 

⑥ジャブ→右ボディブロー→右ストレート→右ローキック→左膝蹴り

一番実用的なコンビネーションなので、キックボクシングの歴史の中で使った人は1人はいるはずです。

 

⑦右ミドルキック→左後ろ回し蹴り(顔)→左肘打ち(ボディ)→右アッパー(金的)→頭突き

最高難易度です。これができる身体能力があれば、煉獄を使わないで余裕でKOできるでしょう!

 

空手小公子小日向海流

恐らく現時点で、最も勉強になる格闘技漫画。

特にキックボクシングについては、かなり現実的で正しい知識が盛り込まれているので、キックボクシング好きは必続の作品です。

空手小公子小日向海流でのありえないシーン

簡単に骨が砕けすぎ

作中では、多くの試合でボディブローを喰らうとお煎餅のように簡単に肋骨が砕けます|д゚)

肋骨をほぼ全部粉々に粉砕されている選手もいますが、完治がめちゃくちゃ早いです!

あまりに派手に折れすぎていますが、内臓や血管損傷を合併していないので奇跡としかいいようがないでしょう。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

実際の格闘技と照らし合わせてみると、格闘漫画はより面白いと思いますので、そんな事を考えながら読んでみるのも面白いと思います。

この記事の筆者

土屋 和義
土屋 和義
格闘技ジム経営者、元プロキックボクサー&プロボクサー、柔道整復師。
登録者4万人程のYOUTUBE格闘技チャンネル運営。格闘技についての知識や技術を「楽しく分かりやすく解説」