ガチスパーリングで緊張しない方法:『考え方』と『立ち回り方』を押さえよう!

格闘技をやる人が絶対通る道があります。

 

それは

『ガチスパーリングで緊張する事』です。

 

・上手く立ち回るにはどうしたらいいか

・緊張しない方法があれば知りたい

・どんな想いで迎えたらいいんだろう

 

このように考える人は多いのではないかと思います。

 

と言うわけで当記事では

 

【ガチスパーリングで緊張しないコツ & ガチスパーリングでやられないコツ】

 

を紹介しようと思います!

 

↓↓ 今回の記事はこちらの動画を解説したものとなっております。文字で読むより動画で学びたい方はこちらをチェックです!

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ガチスパーについての基礎知識

 

そもそも、ガチスパーとは何か?何故ガチスパーをやるのか?

 

答えは・・・

 

試合は常にガチな戦いなので、普段の練習でも試合の状況を正確に似せて練習した方が、本番のパフォーマンスが良くなるから。

 

言い換えれば

 

練習でガチで戦っておけば、本番で緊張しないし、100%理想に近い動きが出せるよって事です。

※逆にガチスパーをしないと実際の試合では100%上手くいきません

 

強くなるには、絶対に通るしかないと腹が決まったところで・・・

 

ガチスパーをロジカルに分析し、緊張を緩和する術を紹介していきましょう。

 

ガチスパーで緊張しないための考え方

自己防衛本能による緊張

 

「明日の15時に、プロボクサーとガチスパーリングをやってもらえますか?」

 

ジムのコーチからそう言われたら、皆さんはどういう反応をするでしょうか。

 

実戦に慣れている人や血の気の多い人でしたら「はい、喜んで」と言えるのですが

 

大体の人は

 

「ちょっと待って、明日ですか? プロと? ガチで!?」

 

と拒否反応が出ると思います。

 

これは何かと言うと『自己防衛本能』による緊張です。

 

「やられるかもしれない」という未来の可能性に不安になっているのです。

 

・「負けたらサマにならない。コーチなのに、プロなのに・・・」

・「強い一撃をもらったら嫌だな・・・」

 

このように

 

自分を守りたい → 逃避的な思考が湧く → 色んな不安・緊張・ストレス

 

になるのです。

 

自己暗示:ガチスパーのイメージを払拭

 

まず考え方を改めたら

 

その緊張の大部分はなくなる と言っても過言ではありません。

 

私が実際に緊張をどう緩和しているか と言うと、『ガチスパーに対する考え方』を変えたのです。

 

そもそも、『ガチスパー』という単語によくないイメージが染み付いています。

 

・「ガチスパーをやるのだから、ガチスパーっぽく見せなきゃいけない」

・「これは倒すか倒されるかの戦いだ」

・「コレで自分の格闘家としての強さ・評価が100%決まる」

 

そういった考えをすることによって

 

身体に力が入り、動きに過剰な力みが入ってしまう → 緊張する

 

では、どうしたらいいかと言うと

 

「ガチスパー」という単語のイメージから離れて

 

マススパー ~ ライトスパーくらいの気持ちで挑むのが最も効果的な解決策です。

 

格闘技ジムを経営している私も

若手を育成するときは、「ガチスパー」という単語を使わせないようにするくらいです。

 

「ライトスパーをやりましょう」と言っても、それでも強めにやってしまう人はいて

当の本人たちからすれば、ガチスパーでやってる感覚はなく

 

徐々に心と体がヒートアップして一番良い動きができた結果、そうなっています。

 

そして実は、そのくらいが精神的にも肉体的にも丁度いいのです。

 

分かりやすく言えば、ガチスパーというと短距離走のように最初からパワーを使いすぎてスタミナも気持ちもテクニックもついてきません。

 

軽めにやるって条件があるだけで、自分のペース配分通りに動けることで、効率よく動くことができるわけです。

 

TAKA
TAKA
なるほど。では自己暗示として、ガチスパーを始める前は
「じゃあマススパーをやるか」みたいな感じで臨むのが大事ということですか。

 

思い込みが大事という別の例で、ガチGYMで出稽古に行くときは、コレをやる前に必ず飲んでキめてしました。

飲んだらスイッチ入る。疲れない。みたいな自己暗示は少なからずありました。

 

 

完璧なスパーリングを求めない

 

相手の攻撃を全て見切って、自分の攻撃だけは全部当てる

 

そんな百点のスパーリングを求めていても、余程の実力差がない限り、どうせ上手くいかないのです。

 

完璧を求めず、いっそ、相手の攻撃をもらう前提で臨むといいです。

 

・「今日は受けに行こう」

・「もう喰らっちゃおう」

・「今日はディフェンス練習だから」

 

そのくらいの割り切った気持ちでやるとリラックスできるものです。

 

逆に喰らわないことを念頭にスパーリングを始めると

 

「初撃をいつ喰らうんだろう・・・」

 

とドキドキ、ピリピリしてしまいます。

 

相手の一挙一動にビクビクしてしまうから、自分の動きも悪くなります。

 

なので、まず一発喰らってからスタートするくらいの方が、逆にいいです。

上手い人でも、強いのを一発喰らわないとスイッチが入らないって言う人が多いです。
実は私もそういうタイプです!
土屋
土屋

 

スパーリングは戦場ではなく練習

何もできないで終わるより、何か一つでもやって終える

 

「普段の練習の成果を研究する場」

 

だと思ってスパーリングに臨むのが、緊張しないためのコツです。

 

一番良くないのが、ガチガチに緊張して臨み、振り返っても何も成果がないこと。

 

スパーリングの度にそんな終わり方をするのだったら

いっそ、自分のやることは一個か二個に絞るとよいです。

 

 

アレもコレもやろうとすると、相手の動きの対応で忙しいので余計にパニックになり

結果的に良い動きが何も出ずに、状況対応に追われただけになることが多いです。

 

・「やることは一個か二個でいい」

・「そのかわり、動画を撮影して、後でその動きができているか見返してみよう」

 

一個か二個でも出来ていれば

総合的には押され気味で終わったとしても、そのスパーリングは成功となります。

 

このような健全で明るい未来を想定してやると良いです。

TAKA
TAKA
「負けるかも、倒されるかも…」と、嫌な未来を描いて不安になっているのですから
その逆に、明るいイメージをすればいいんですね!

 

因みに、スパーリングやる時は必ず自撮り棒などでスマホ撮影がお勧めです。

ウチのジムでは、言われる前に各自でセットするように教育しています。

※インカメだと画質が悪いので、外側で固定できるものがお勧め

 

「倒そう」としない

 

スパーリング開始前に、「絶対俺を倒せよ!」「お前は俺より強いんだから!」と煽ってくる人がいます。

他愛のない言葉ですが、これがプレッシャーになりかねないです。

 

そのプレッシャーの影響から抜け出すには

周りから「倒せ」と言われても、「倒さない」と思うことが大事。

 

「倒す!」となると、パンチが大振りになったり、ラッシュに力が入ったりするものです。

そこで致命的な隙が生じてしまいます。

 

なので

 

・「周りは倒せって言うけど、今日は倒さないよ。申し訳ないけど」

・「今日は優しくやってあげるから」

 

こういった心構えでいると気持ちを楽にできて、むしろ良い動きができるものです。

逆説的ですが
そういう時こそ、意外と良いパンチが打てて相手を倒せたりするのです!
土屋
土屋

 

「 オートガードの意識 」で安全を確保

 

ほぼやられるのが目に見えている格上相手とガチスパーをする時にはどうしたらいいか。

 

「優しく行きますね」なんて考えていたら、当然やられてしまいます。

 

とは言え逆に「格上が相手だから、今日はやられてしまう!」と思ったら

自己防衛本能が発動して、誰でも緊張してしまいます。

 

そこでできると良いのは、「やられる」ことばかり考えないで

 

・「申し訳ないけど、今日はやられないよ」

・「総合的にはそっちがポイントを取っていくだろうけど、俺、防御だけは硬いんで」

 

と、守りに絶対の信頼を置いて臨みましょう。

 

相手がいかに強いオフェンスがあっても、攻撃を減らして守りに徹する意識なら

 

やられない、怪我もしない → 不安や緊張は減ります。

 

 

「怪我しないんだったら別にいいか」と思えるくらいディフェンス技術がある人でしたら、とてもオススメの考え方です。

こういった流れが私の中で安堵するポイントだったりします。
「オートガードなので!」と、そういう設定を自分に課していれば、あとは楽です。
土屋
土屋
TAKA
TAKA
オートガード・・・攻撃の手数は減りますけど、これはこれで強いスタイルですね。
無事に生き残る率が高いですから、心にも余裕が生まれるというわけですか。

 

※ ディフェンスのコツについては、後ほどお話します!

 

やることを決めておく

 

自分のコンディションは常に万全とは限りません。

色んなものがタイミングよく重なって、本当にスパーリングをやりたくない時も訪れることでしょう。

 

かく言う私も

 

例えば筋肉痛で、全身が疲れている日で、しかも空腹で、あと一時間で営業時間が終わる。

・・・という時に「スパーリングをお願いします」と言われることがあります。

 

そういう時の心構えとしては

 

・「相手がこういう動きで攻めてきたら、コレとコレだけやろう」

・「開始したら、どうせパンチのラッシュが来るだろうから、体勢を崩されないように一回守ってから・・・」

・「どうせローキックが来るだろうから、とりあえず一回カットして、次に下がる」

 

という感じに

最初の30秒~1分の間にやることをあらかじめ想定してスパーリングを始めると楽に動けます。

 

自分が不安にならない方向で、楽に考える習慣をつけるのがコツとなります。

 

無理やり、ヤル気を出させる時には「気つけ」効果のあるアイテムが有用です。

 

私が公私ともに愛用しているのはミンティアのメガハード。ヤル気を無理矢理出す時は勿論

ミットや対人の際の口臭予防としても。コーヒーやプロテインなどの乳製品を飲んでしまった

後に頼まれたら即効、口に入れられるので便利です。

 

鼻にぶち込んで顔の内部をスースーさせるヤツです(笑)
一発で目が覚めて、ヤル気になります。長距離ドライブや徹夜仕事にもオススメ。

ガチスパーで緊張しないための実践編

 

ここまでは考え方を紹介してきました。

いかに、自己防衛本能を発揮させないように隠すかという話でした。

 

ここからは実践編として、具体的にできること/やるとよいことを紹介していきます。

 

自分に合った装備を着用する

 

普段から、実際にスパーリングをする時の装備を着用して練習した方が良いです。

 

先程まで紹介してきたように『考え方を変える』といったアプローチもありますが

 

結局のところ、緊張を減らす一番のコツは『慣れ』です。

 

慣れたら、良くも悪くも人間は何も考えなくてもできるようになります。

TAKA
TAKA
たとえば、普段自動車の運転をしない人が「高速に乗ってください」と言われたら
ものすごい緊張になると思います。
それは、『慣れていない』からですね。
でも反対に、運転を何十年もしている人だと、高速道路もむしろ寝そうなくらい慣れています。
土屋
土屋

 

そして、装備を着用するのにも『慣れ』が必要になってきます。

 

具体的にスパーリングで着用する装備を、以下に紹介していきます。

 

キックボクシングにはレガースが必須

まず、キック有りだったら『レガース』。

 

相手に当てないくらいの距離でやるスパーリングでしたら着用しなくてもいいのですが

基本、レガースは必須となります。

 

試合になると素足で蹴り合うプロ選手も、普段の練習時はレガースを着用する人がほとんどです。

 

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ヘッドギアに徹底的に慣れる

スパーリングで特に大事なのが『ヘッドギア』です。

 

キックボクサーだったら普段の練習でヘッドギアをしない人が多いです。

でもアマチュアの試合だとヘッドギアを着けて行います。

 

するとどうなるかと言うと、実戦を迎えた時に普段とのギャップで緊張してしまうわけです。

いつもより視界が狭くなったり、少し相手に触れられるだけでヘッドギアが揺れたりズレたり・・・

 

そのちょっとした違和感やズレによって「あぁ、もう!」となり

予期せぬ事態に陥って焦りや不安 → 自己防衛本能が発動してきます。

 

ヘッドギアは相当慣れた方が良いです。

 

慣れるまで2~3年くらいかかると思った方が良くて

スパーリングでズレても、ガードしながら距離を取って下がりながら、無意識に手でクイッと元の位置に直せるくらいになりましょう。

 

ヘッドギアのズレ方も、上だったり左右だったりするので、想定外のことにも慣れるように。

 

実戦で「え、こんなズレ方するの!?」と、そうならないように

その予行訓練として、自分はブロックしたまま、練習相手には色んな角度からの攻撃をしてもらって、あらゆる想定を事前に知っておくとよいです。

 

装備はどれも自分が試合で使う物を使った方が良いです。

 

自分にフィットした理想のキツさというものもありますし

サイズが合わないからって紐で縛りすぎて、キリキリ頭部が痛くなっちゃう時もあります。

 

道具をつける事自体がストレスになってしまう人もいて

そのため格闘技のサークルとかだと「面倒くさいから」って、防具をつけない人が多いです。(お金もかかりますし)

しかし反対に、一流の人は防具をしっかりつけているものです!
土屋
土屋
TAKA
TAKA
一流っていうのは、日頃から防具をつけて練習を積み重ねてきているから一流なんですね。

 

↓↓ コチラは、目も顎もガードしてくれる優れモノで、アマチュア試合でもよく使われているヘッドギアになります!

 

命を守るファウルカップ

『ファウルカップ』もすごく大事です。

 

仮にファウルカップをつけていても、油断していると・・・しにます!

私も少し前、スパーリング中に相手の膝蹴りが睾丸に当たってしまって、破裂したかと思うくらい痛くて、30分間は立てない状態が続きました。

 

「少し休んでいれば治るでしょ(笑)」とバカにせず

命と同じくらい大事な場所ですので、しっかり頑丈なものを装備した方が良いです。

 

↓↓ 金的の対策や、おすすめのファウルカップについて紹介した記事はこちらからどうぞ!

 

マウスピースは「安さ」より「質」

あと大事なのはマウスピースです。

 

マススパーくらいだったら着けなくてもよいのですけど

ヘッドギアやファウルカップも着けてやるのなら、マウスピースもしてほしいところです。

 

マウスピース選びも適当に済ましていると、呼吸がしづらく「シュッシュ」と言いにくいです。

 

市販の2000円くらいのやつだとフィットもしづらく

口の中で違和感や不快感があると、スパーリング中に気が散る原因となります。

 

おすすめなのが、歯医者で15000~20000円で作ってもらうこと。

これは自分への投資です。これによってガチスパーの緊張がなくなるんだったら良いと思います。

 

ヘッドギアとマウスピースは、本当に自分と適合したものを選んだ方が良いです。

 

恐らく格闘家の大半がコチラ↓↓のマウスピースを愛用していると思います。コスパの高さからプロや元プロでも愛用している人もいます!

 

重いグローブに合った打ち方をする

スパーリングで使う14~16オンスのグローブも慣れておきましょう。

 

自分が普段使っている8とか10オンスよりも倍重いので

当然デカいし、振り回しにくいしで・・・メイン装備であるグローブを扱いづらい事自体がスパーリングでの不安に繋がっていきます。

 

14とか16オンスに合った打ち方があります。

 

肩だけで振り回していたら、スタミナは減るし、すぐ肩の筋肉が疲れます。

なにせ、ダンベルを振り回してるようなものですから。

 

グローブの重さに合った打ち方をしっかり身につけておくことです。

 

勝敗を左右する『スタミナ』

 

格闘技に限った話ではありませんが、スタミナは全てに関わってきます。

これが切れると緊張してきます。

 

自分の普段の技術が出なくなり、疲れて打ち返せなくなるし、ほんの僅かな差が出るだけで「ダメだ、やられる!」となります。

 

「呼吸法」と「スタミナの確保」は一緒です。

呼吸が乱れると心拍数も上がってきます。

 

疲れない打ち方で強く立ち回ることを覚えること。

 

初心者でよく見られるのが、足を止めてその場で振り回している人です。

これを続けていると、どんな人でも絶対に疲れてきます。

 

ではどうしたらいいかと言うと

足の動きを止めないで、体重に合わせて振り回せばスタミナの消費を抑えてくれます。

 

フックもそうです。

手だけで引っかけるのと、足と連動させて遠心力を使って打てば、使うスタミナは最小限で済みますし、威力もぜんぜん違います。

 

ちなみにフックの打ち方に興味のある方は、こちらの記事を要チェックです!

 

TAKA
TAKA
全てのパンチ・キックを疲れないように、かつ強く打てるようになるといいんですね!
そう、これができると手数の増加にも繋がるし
後半で追い詰められても反撃ができるというわけです!
土屋
土屋

 

↓↓ 呼吸法について解説した動画も投稿しております。格闘技をやっていて疲れやすい人は必見です!

環境に適応させる

床の確認

あと意外と、『床』も見落とせないポイントです。

 

ホームグラウンドの床だったら踏み慣れているので問題はありませんが・・・

 

たとえば、キックボクシング(裸足)をメインでやっている人が

「明日プロボクサーとスパーリングするからシューズを持ってきて」となったら、踏み心地がまったく違ってきます。

 

キックボクサーがボクシングジムへ交流に行くと、滑らなさ過ぎて慌てることがよくあります。

普段だとスッスッと滑らかに動けるのに、シューズによる滑り止めがかかってステップが出来なくなるのです。

 

 

逆もそうです。

 

いつもシューズを履いて練習をしているボクサーの体験談として

 

キックボクシングジムに来て

 

「いつものボクシング専用シューズを履くより

外用の一般的なスポーツシューズを履いてみたら、こっちの方が動きやすいです」

 

という人もいて、シューズの種類によっても動きやすさが違ってくるという興味深い現象も起きています。

 

 

前提としては足がうまく使えないと、さっき言ったような手打ちのパンチになって疲れやすくなります。

 

そのためには滑りやすくてもダメだし、滑らなさ過ぎてもダメです。

調整が難しいところですが・・・

 

 

あまり高額なシューズを買いたくない方、敷居が高いと思う方はバタフライの卓球シューズがオススメです!

↓↓ 私もプロテストを受けるためにボクシングジムに通ったときはコーチに勧められて買いましたが、とても使いやすく、プロテスト当日も使いましたが問題なく合格しました。

リング上の空気感

あとは現場(リング上)の雰囲気・・・

リングの上で対面したとき、その場の雰囲気にいかに慣れるかが大事です。

 

ゴングが鳴って最初のグローブタッチをする。

そこまでが、大体の人が一番緊張するタイミングです。

 

その時点までは緊張のメーターがうなぎ上り(↗)となります。

なので、その最高点を乗り切ったら、さらにメーターを上げていくのではなく、メーターを下げて(↘)いきたいのです。

 

そのために、グローブタッチをしたら一回引くといいです。

 

いきなりガチで殴り合うのではなく

まずは距離を取って軽くステップをして、心身を慣らすための時間にするのが上策です。

 

 

最初の30秒は心拍数が上がったのを下げたいパートとなります。

 

床の感触を歩きながら確かめたり、一回相手の攻撃をあえて受けてみたりするといいです。

 

「思わず攻撃を受けてしまう」のと、「あえて攻撃を受けてみる」のは、精神的にだいぶ違ってきます。

 

 

最初からガチガチになったまま打ち合いをする!

・・・という事をするくらいだったら、上記に挙げたような事をする方が利口かなと思います。

 

 

あとは陸上選手も競技前によくやる、その場でジャンプ。実はパフォーマンスの向上に重要らしいです。

当然ドーピングではないのですが、ジャンプをした方が良い記録が出るというデータもあります。

 

プロの格闘家もリングインしたら、軽くジャンプしたり上下に揺らしたりするシーンを見たことがある人は多いと思います。

 

「これからスパーリングをやるというのに無駄な体力を使いたくない」と思う人は無理にやる必要はありませんが

これには関節を緩くする効果があって、『緊張を解く効果的な方法』として学会でも立証されているようです。

 

押されない姿勢作り

あとは、『姿勢』です。

 

「お願いします」と言ってグローブタッチする時の姿勢のままでいると、攻撃を受けられない姿勢となります。

そのままだと、押されたら後ろに飛ばされてしまいます。

 

なのでグローブタッチをしたら、『受けても大丈夫な姿勢』を作ってからスタートする。

 

初心者はこの切り替えが上手くできていないので、戦える姿勢を作れないまま打ち合う羽目になります。

 

「いつ来てもいいぞ」みたいな身体の姿勢。

そんな準備ができれば、心の方でも準備が整って、ガチガチになることは減ります。

 

これはブロッキングの固さにも影響するので、地味ですが、姿勢作りは大事です。
技術的には、こういうところで不安や緊張が払拭されると思います。
土屋
土屋

 

押されても大丈夫な姿勢とは、押してくる人に対してもたれかかるような感じにするのがコツとなります。

↓↓ 詳しくは動画で解説していますので参照してください!

 

ガチスパーを始める前のアップ

 

ガチスパーを実際に始める前に行うと良いアップもお伝えします。

 

対面で、速めのシャドーボクシングを数セットやりましょう。

 

これをやっていくと緊張が緩和されて、汗も出てきて、動ける状態へと整っていきます。

一人でサンドバッグを打つより効果的です。

 

これはシャドーなので、相手の顔ではなくグローブに当てにいくようなイメージで。

安全な距離で、自分が本番でやりたい動きを一通り全部やってみましょう。

 

シャドーで出来たのであれば、実際のスパーリングでもその動きを出せるようになると思います。

 

これで身体があったまれば、そのままリングの上へ行きましょう。

 

 

その場に相手がいないなら、サンドバッグでもいいでしょう。

 

打つ時はステップもしっかり踏んで、腕も伸ばして強く打つ。こじんまり打っていると、本番でも小さくなりがちです。

実戦において小さく打つことはないので、可動域を広げるイメージで腕を伸ばして大きく打つこと。

 

 

・・・そして

やれることはやっても、それでも自己防衛本能がニョキニョキっと出てきてしまう場面はあります。

 

そういう場合は、最初は潔くやられましょう。

やられないといけない。ただし、先程お伝えしたような『押されない姿勢』を作った状態で。

 

すると、やられはしますが、仰け反らないし上手く受けができていることになります。

 

少しは痛いのですが、ダメージも抑えられているので

「どうせやられないだろう」という、そういった負けないビジョンを実際に再現できるように身につけましょう。

 

 

反対にダメなのが、姿勢が作れないで、相手の一挙一動にビクビクしているような対応の仕方。

これをやると目も当てられないやられ方になりますし、しかも疲れます!

 

練習なので、やられていいんです。

 

そして、押されない姿勢ができるようになったら、その状態を崩さずに手を添えてブロッキング。

それができるようになってきたら、相手のストレートを避ける。

 

と、動作を加えていきましょう。

 

 

スウェーバックで避ける際は、動きを小さくしましょう。

 

後ろに大きく仰け反るようなスウェーバックはダメです。

一時的でも姿勢が変わるということは、すぐ次に強い動きができない・・・ということは不安になってしまいます。

スウェーバックで大きく避けて、その次の動きで埋められるのでしたらいいのですけど

大体の初心者はそこまでの動きはできず、どんどん後ろに後ろにと、仰け反るだけで終わります。

 

これは自分の首を締めてるのと同じです。

 

変に避けようとせず、逆に、潔く受けた方が緊張しないで済みます。

 

何なら、うまく攻防をやっていこうとするより

「ただ受けるだけに徹する」方がよかったりします。ただし押されない姿勢を作ること。

 

その場合、攻める練習より受ける練習になりますが
見ている指導者側としては、この方が安心して見れるスタイルとなります!
土屋
土屋

 

まとめ

「ガチスパーだから」と言って、変に構えない(心も体も)ことです。

 

まだまだ弱い立場の人にとっても当然「ガチは怖い!」となるし

実力がある人からしても「ガチだから全力でやらなきゃいけない」「強いところを見せないといけない」というプレッシャーになるのです。

 

「ライトスパーでやるけど、ちょっとお互いに盛り上がってきたら強く打ってきてもいいよ」

くらいの方がやりやすいと思います。

 

あと「スパーリングは、ただの練習でしかない」という理解をしておくこと。

 

なんなら自分の研究材料のネタ、上手くなっていくための必要なステップになるという意識・・・

 

そういう風に考えることができれば

 

「ガチスパーだから、やるかやられるか」

「生き残るためには、一か八か」

 

という決死の覚悟をする必要はなくなってきます。

 

 

そういうわけで、スパーリングを恐れ過ぎず

楽しく格闘技の練習に取り組んでいっていただけたら嬉しく思います。

この記事の筆者

土屋 和義
土屋 和義
格闘技ジム経営者、元プロキックボクサー&プロボクサー、柔道整復師。
登録者45000人程のYOUTUBE格闘技チャンネル運営。格闘技についての知識や技術を「楽しく分かりやすく解説」