スマイルキック代表の土屋です。
今回は、身体を仕上げる為に必要な減量方法についてです。
ボクサーやキックボクサーとして試合に出る為には5~10kgの減量が必要になってきます。
この減量のやり方次第で、試合当日のコンディションが左右するので、実力以上に大事な作業が減量なのです。
また、ボディビルやフィジークといった身体づくりを専門とする方々も減量を行います。
キレッキレのボディを作る為に日々、とてつもないハードなトレーニングをすることは得意ですが、減量についての知識が浅い人も多いようです。
今回は、減量に必要な外してはならない知識とより効率的に減量をするための情報を提供致します。
Contents
減量とは?
ダイエットと大きく異なるのは、ダイエットの場合は『見た目を美しく健康を増進させることで、結果的に体重を減らす』行為なのに対し、減量とは『単に体重を減らす』ことを目的としています。
格闘技における減量
試合に出場するにあたり、ルール上は対戦相手と自分が同じ体重で戦わなければなりません。
その為に、同体重に合わせる為に各々が体重を減らすのです。
また、格闘技では『階級』という制度があり、フェザー級なら55.34kg~57.15kgといった具合に、その体重での強さを競います。
ここで問題ですが、57.15kgの人と67.15kgの人ではどちらが総合的に強いでしょう?
答えは明確で、体重が重ければ重いほど、身体も大きくなりますのでプレッシャーもかけられて、パワー負けもせず、身体も強くなります。
実は、減量をすることで限りなく67.15kgの肉体的パフォーマンスを維持したまま、57.15kgで試合に臨むことができるのです。
そうでなくても、体重が重い選手と練習した方が色んな意味で強くなります。
減量をすると、多少は筋肉量は下がりますし、身体もしぼみます。
しかし、67.15kgで太くなった筋繊維や培ったパワーは身体が覚えているものなのです。
筋トレでのマッスルメモリーと似ていますが、一度体験した身体強さは潜在的に残ります。
よく、『減量までして弱い選手と戦って勝ちたいのか?』という疑問を耳にしますが、あくまでも決められたルールの中で最大限のパフォーマンスを出すための努力です。
逆に細かなルールが無ければ、格闘技はこれほど盛り上がる競技になっていなかったでしょう。
身体づくりのための(コンテストに向けて行う)減量
いわゆるムキムキになるための減量です。
こちらも、コンテストに出る為には規定があるので、できるだけ大きい筋肉を維持したまま、身体を絞らなければなりません。
格闘技の減量と違うところは、肉体的パフォーマンスよりも身体の見た目を重視した減量ということです。
※実際はポージングに凄まじいエネルギーを使うようなので、動ける力は必要との事
特にコンテストに出る方々は大会当日では、皮下脂肪が殆ど無い状態(皮膚をつまむと皮のみという状態)にする事がベストのようで、およそ体脂肪率3~5%になるように調整するようです。
このレベルになれば、痩せる事に関しては問題ないので、どちらかというと健康状態を気にした減量が必要になってくると思います。
減量の基本
5大栄養素の役割をザっと理解する
5大栄養素の中でも、減量にかかわってくるのはエネルギー(カロリー)になる栄養素です。
エネルギーになる=いらないエネルギーは体脂肪に変わる=太りやすいと考えれば分かりやすいかと思います。
その栄養素を3大栄養素と言い、糖質・脂質・タンパク質と言います。
どのくらいの比率でエネルギーを作るかというと
糖質1g=4cal
タンパク質1g=4cal
脂質1g=9kcal
一見、脂質が1g当たりのカロリーが高いので太るように思えますが、人間の細胞膜や神経系の栄養になったり、吸収が遅かったりとすぐに体脂肪に変わるわけではないので、一概に太りやすい栄養素とは言いにくいです。
しかし、それでも脂質を摂りすぎるのは増量の要因になるので注意が必要です。
そして、タンパク質は、筋力や基礎代謝(痩せやすさ)を上げる為に最も必要な栄養素なので、しっかりと摂る必要があります。
摂りすぎる場合に体脂肪に変わる危険性はありますが、摂りすぎるくらい摂るのは難しいので気にしないでイイと思います。
タンパク質を主食とする
低カロリーで高タンパク(更にアミノスコア100ならベスト)な食品をチョイスして、高回数、多量に摂取することが、減量に一番必要な基礎代謝を上げる近道です。
一般的に効率がいいとされるのは、アミノスコア100のプロテインです。
アミノスコア100のプロテインは現在は殆ど動物性のホエイプロテインで、乳タンパクで脂質が含まれていることが多いです。
動物性脂質をカットしながら、タンパク質を摂るにはお金もかかりますが
・卵白
・納豆
・鶏ササミ
・鶏胸肉
・豆腐
・シーチキン
・魚の刺身
などをたくさん摂るといいでしょう。
日本人は植物性タンパク質が合っていますが、基本的に豆のタンパク質はアミノスコアが100ではなく健康的に痩せる事はできますが、身体づくりは△といった感じなので、動物性タンパクもセットで摂った方がバランスのいい減量ができます。
糖質をカットする
3大栄養素の中でも糖質は特に注意すべき栄養素です。
エネルギーとしての使い道以外では、殆どが体脂肪に変わってしまうので、摂取しすぎると太りやすい栄養素と言えるでしょう。
具体的には、ケーキやアイスは勿論のこと、ジュースなど砂糖が多く入っている製品は気にしましょう。
炭水化物は摂ってもいい?
エネルギーをしっかり確保して、糖新生を防ぐためにも、多少の炭水化物は必要という意見が有力です。
糖新生とは、摂取カロリー(エネルギー)が少ないと、身体のタンパク質(筋肉)を分解してエネルギーにかえてしまう身体の作用です。
糖新生を繰り返してしまうと、基礎代謝が下がり、結果的に減量しづらい体質になってしまうので要注意です。
炭水化物を摂る時は低GI値の食品を
小麦粉、白米はGI値が高いので炭水化物といっても、太りやすさは、砂糖と変わりません。
玄米や蕎麦などGI値の低いものをできるだけ摂るようにしましょう。
血流・リンパの流れをよくする
水をたくさん飲む
水をたくさん飲む事で、基礎代謝がグーンと上がります。
単純に体中の老廃物を押し出して、綺麗な血流を促します。
純粋な水で飲みの効果なので、お茶やスポーツドリンクよりも水をチョイスするようにしましょう。
一日、約2.5リットルの水分が身体から排出されるので、約2.5リットルの水を飲むことが理想的です。
ストレッチを頻繁に行う
身体が硬いと血流がいきわたりにくくなります。
逆にいえば、血流が悪いところから硬くなり、病気になります。
ストレッチは身体を柔らかくしながら、血流を良くします。
身体が温まった状態で毎日少なくとも15~30分やると効果的です。
早寝・早起きする
睡眠は身体のコンディションに大きく左右します。
実は、身体をつくる成長ホルモンが最も分泌するのは22時~2時の睡眠時です。
成長ホルモンは筋肉の成長や体脂肪減少に深く作用します。
また、睡眠時間が短いとストレスホルモンのコルチゾールが分泌され、基礎代謝が上がりにくくなってしまいます。
お風呂は湯船に浸かる
シャワーだけで済ませていると身体の芯まで温まりません。
湯船に浸かる事で、冷え性や普段汗をかかない人も血行が促進されて、代謝が上がる効果があります。
半身浴は減量に特別有益な作用をもたらすわけではありませんが、シャワーよりは遥かにいいでしょう。
あまり、熱すぎるのも逆効果で交感神経が優位に働くので睡眠に障害をもたらす事も。
リラックスできる熱さで長めに入るのがコツです。
添加物をカットする
身体をシビアにコントロールしている時に、食品添加物=化学物質を身体にいれると結果に結びにくくなります。
※身体にイイものを食べ続けていると、胃腸が改善され始めますが、添加物を入れた途端にお腹を壊します。
元々、発ガン性があるものなので、健康を考えるなら、なるべく摂らない方がいいものなのです。
コンビニ食やレトルト食品などの添加物が多く入った食事を摂ることを止めるべきでしょう。
野菜は温野菜やスープにせず、生野菜サラダで食べる
野菜は温野菜にしたり、煮込んでしまうと水溶性ビタミンが水中に溶け出してしまい、摂取できるビタミンが著しく低下します。
温野菜の恩恵としたら
①温かい=身体が温まるので良い
②食べやすい
③カサが増す=食物繊維が数%ほど増える
といったところでしょうか。
逆に生野菜は熱に弱い酵素が含まれていたり、水溶性ビタミンを多く含みます。
ポリフェノールを100%摂取できるので、生野菜サラダを食べる事の方が恩恵は強いでしょう。
また、温野菜に比べて咀嚼回数が上がり、咀嚼回数が増えると食べ物の消化を助けるだけでなく、唾液の分泌も増えて免疫が上がったり、満腹中枢を刺激して、食事量を効率的に減らす事もできます。
最初は筋トレ、中盤は食制限、後半は有酸素運動(水抜き)
減量の意味は、大きく身体を作っていらないものだけをそぎ落とし、体重を軽くすることにあります。
体重が重く高負荷の筋トレができるうちに筋肉量を増やさないと減量する意味があまりなくなってしまいます。
食制限で緩やかに体重が落ちていった後の後半では、筋肉の周りについた脂肪を燃やしたり、汗をたくさんかいて身体から、水分を排出する事(水抜き)で体重を減らしにいきます。
3~5kgは水抜きで体重が落とせるという事なので最後の微調整と考えるといいでしょう。
いかがでしたでしょうか?
目指すもののハードルが高いほど、減量の質が深く問われます。
少しでも減量のヒントになったなら幸いです。
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