フックの打ち方とコツ!初心者~上級者テクニック!
スマイルキック代表の土屋です。
フックというパンチをご存知でしょうか?
肘を曲げて側面から横方向へ打つパンチの事です。
Hook(鉤)という名の通り、ジャブやストレートと違って、引掛けるように打つのが最大のポイントです。
ただ、フックというパンチは全打撃中でワースト3に入るくらいリーチが短い打撃であり、遠距離での攻防が続くキックボクシングにおいて一番使いどころが難しい技だと個人的に思っております。
また、打撃の難易度としてもTOPクラスに難しいです。
そんなフックですが、実際のスパーリングや試合において、ジャブやストレートよりもガードがしづらく、ダメージが大きい打撃でコンビネーションの要にもなる重要な打撃です。
今回はフックを習得するにあたって、必要な知識をまとめてみましたので、ご覧ください。
※オーソドックススタイルのみに絞った記事になりますのでご了承ください。
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Contents
フックとは?
上記したように横方向に打つパンチになります。
ただし、真横に打つと全く力が入らないので実際には半円を描くイメージで身体の軸を中心に遠心力(腰の力)を利用して打つパンチです。
何のためにあるパンチなのか?
主に相手の頭を揺さぶることで、ダメージと共に脳を揺らし平衡感覚を失わせる事を目的とします。
また、ボディフックという身体の脇腹に当てるタイプのフックもあり、こちらは別名レバーブロー(リバーブロー)ともいい肝臓のあるポイントを狙う事で、まともに入ると一時的な呼吸困難と立っている事が困難なダメージを与える事ができます。
※キドニーブロー(腎臓打ち)という背面のボディフックは禁止技になっているので注意
狙うポイントは?
『あご』『こめかみ』を狙います。
顎が元々弱い(グラスジョー)選手もいて、顎はかすっただけでも脳が揺れる事もある為、非常に有効です。
また、ボディフックであれば、『脇腹』を狙います。
拳の角度、当てるところは?
拳の角度は一般的には縦にする方が良いと言われています。
理由としては力が入るから。
横にするとスピードは速くなるのでカウンターで当てる際には横でもいいかもしれません。
拳の当てる場所は、ジャブやストレートと同じく第3の指の付け根(拳)になります。
奥手のフックを当てる時は反則技であるオープンブロー(拳の内側)で当てやすいので注意。
フックのメリットとデメリット
フックのメリット
視界のぎりぎりのところからくるパンチなので見えくく、ガードしづらいのが良い点でしょう。
また、パンチが『引っかかる』ので、相手にガードを強制させやすい為、次の打撃に繋げやすいです。
脳を揺らす1発が決まればフィジカルが強い相手をダウンさせる事も可能です。
ボディフックは、全てのボディへのパンチの中で最も効かせやすいパンチなので、ボディを効かせたい場合は必ず使う事になると思います。
フックのデメリット
基本的に溜めて打つパンチでジャブやストレートと違い、出が遅くなりがちです。
身体を回転させないと威力が出ない為、構えでフックのモーションが見破られやすいのにも注意が必要です。
また、打ち終わりに隙が出やすいパンチなので0.1秒でも隙を無くす努力をしないとなりません。
フックの打ち方
フックとは一般的に前手(オーソドックスでは左手)のパンチをメインに頻繁に使うので、左フックの打ち方を書きます。
構えてから腰を左に捻る
この時に、おへその位置が自分から見て右から真正面~左寄りになるように腰を捻って『溜め』をつくりましょう。
この『溜め』がつくれるかどうかで上達速度が全く違います。
この時に既に使わない右手は脇を締めて、頬にグローブを当てておくとパンチを打つ際に身体が回転しやすいです。
腰を勢いよく右に回しながら腕を右に振る
『溜め』が上手くつくれてないと、この時に手打ちになってしまい、スピード感・威力が弱くなってしまいます。
初心者に多いのが、左腰が前に来てしまう状態で、この状態は腰の力とパンチを連動できていないので注意。
上級者出ない限り、この時に前足のカカトを上げて膝を内側に向けて股関節を回しましょう。
つまり、左半身ごと回転するように打てるようになれば、第一歩クリアと言えます。
腕の振り方ですが、腕が顔の正面当たりで止まるように打ちます。
その際に、正面を通過したパンチの軌道が手前側に曲がるようにして、力を逃がします。
そうしないと、以下の画像のように左手が右に行き過ぎてしまい、大きな隙になってしまいます。
ミット打ちの際には、当たる瞬間に肩を入れ込むのがコツで、同時に手首のスナップを入れるように打つと、押しが強いフックが打てます。
付け加えると、大振りのロングレンジのフックよりも最初は短い距離のショートフックを練習することをお勧めします。
動画でフックを練習しよう!
丁寧に文字で解説したフックの練習動画です。
https://youtu.be/iNnNaRLUGWw
ボディフック(ボディブロー)の打ち方
ボディフックも基本的には同じですが、身体の使う筋肉が全く違うので使い分ける時は注意しましょう。
やや低く構えて左に踏み込みつつ、腰を左に捻る
この時に、右腕で右半身をガードしながら、頭は相手のジャブ・ストレートの軌道からずれるようにして、身体ごと左に傾けます。
特にオーソドックススタイルの相手の右の拳の外側に右腕を置くイメージ踏み込むといいでしょう。
腰を勢いよく右に回しながら腕を右上に振る
ボディフックでは、真横に打つよりも斜め上に向かって、伸び上がるように打つ方が威力が高いとされています。
最初は威力が出せない角度ですので、右側に身体を開く練習をするといいと思います。
身体を開きすぎるとよくありませんが、素早く強く打つ為の身体の使い方としては分かりやすいと思います。
奥手のフックの打ち方
奥手(オーソドックスでは右手)のパンチですが、相手の前方のガードの奥を狙って打つイメージになります。
溜めを作らず、ストレートのイメージで打つ
右フックは完全にストレートの打ち方でいいでしょう。
ストレートと違う点としては、身体ごと左に勢いをつける感じで、相手の顔面目掛けてグローブを叩きつけるように打ちます。
反則ですが、オープンブロー(掌底で打つ)の軌道で打つ方が威力が出ますので、最後だけ拳で打つように手首を調節しましょう。
ボディへの右フックは腕をしっかり伸ばす
キックボクシングではボディへの右フックを打つくらいなら膝やミドルキックを打つと思いますが、覚えておいて損はないと思います。
右ボディフックは、効率よく打つとなると膝を落としてラリアットを打つ感覚で打つので、しっかり腕を伸ばさないと相手まで届かないので注意しましょう。
フックを打った後のディフェンス
左フックを打つと、左の顔面へのガードが下がります。
当然、相手はそこを狙ってくる可能性が高いので、すぐ対応をする事が大切です。
ブロッキングするパターン
一番手堅い選択です。
高い位置にグローブを持っていけば、殆どのパンチをガードすることができます。
一番の選択肢としては、ブロッキングしながらバックステップやサイドステップで一旦、距離を置く方がいいでしょう。
ウィービングするパターン
ボクサーが身につける基本テクニックですが、左フックをした後に危険な状態にある顔の位置を変えるディフェンスです。
膝を曲げて横に動く事で、顔の位置を変えつつ、基本の構えに戻る事ができるのでオフェンスにも繋ぐことができます。
実戦で有効なフックの打ち方
実戦では腰を完全に回さなかったり、やや手打ちにしたりと状況に応じてフックの打ち方を変える事が有効です。
スウェーバックをしながらのフック
いわゆる逃げながらのフックです。
特にリーチが長い選手が使うと効果的なので、長身の方は特にスウェーバックを多用すると思うので覚えておくといいと思います。
攻めてきたところにカウンターのように打つので、手打ちになることも多いと思いますが、安全にフックが打てる1つの大事なテクニックです。
ロシアンフック
腰というよりも、肩で打つフックです。
マイクタイソンのような剛腕の選手が距離を縮める為に、ステップと同時に打ってるフックは、ロシアンフックです。
ブアカーオも相手の前蹴りをキャッチしてから、足を引きながらロシアンフックで倒すというワザを多用しています。
フォームからパンチの軌道が読みづらく、伸びてくるフックなので実戦ではかなり活用できるフックです。
また、通常2モーションかかるフックですが、1モーションで打つことができます。
打ち方は、腕を後ろに引き、足を出しながらフックを打ちます(飛びながら打つのがコツ)。
コンビネーションの為の触るだけのフック
相手を抑えつけて強い打撃に繋げる為のフックで、腰を入れる必要がなく、強く打たずに横から相手に触れる事でガードを強制させると共に次の攻撃が素早く当てやすくなります。
キックボクシングでいう『触角』のような打ち方です。
フックの軌道も弧を描くどころか、横から軽くポンと触るくらいで大丈夫です。
ノーモーションボディフック
『溜め』を使わずに右腕を引き、一気にのけぞりながらステップインして打つボディフック。
威力はさておき、ノーモーションで速いボディフックが打てるので牽制などに使えます。
突き詰めると、ノーモーションで速く強く打てないと上にはいけないと思いますので、色んなバランスを考えて練習をしてみるといいと思います。
左アッパーと左フックを交互に打つ
いわゆるマイクタイソンのアレです。
フックをガードしようとすると、肘が開くのでアッパーが入りやすくなる。
アッパーをガードしようとすると、肘が閉じるのでフックが入りやすくなる。
そこを突いたコンビネーションで、見た目のカッコイイので自分は好きなコンビネーションです。
左右のボディ打ち
腰を落として左右交互にボディフックを打つテクニックで、腰を左右に強く振るようにしてフックを強く打ちます。
フックの反動を使って、フックを打つので左右のボディに強いダメージを与える事ができます。
顔のガードは完全になくなるので、『反撃を受けない状況』で使うといいと思います。
いかがでしたでしょうか?
フックは難しいですが、使えるようになると戦略の幅が何倍にも膨れ上がる素敵なパンチです。
初心者の方は、打ち方を間違えると手首を痛めることもあるので、まずはシャドーボクシングでイメージを固めると良いと思います。
この記事が少しでも練習のお役に立てたならば幸いです。
他にもパンチやキックの解説ページ&動画を載せていますのでチェックしてみてください。
この記事の筆者
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格闘技ジム経営者、元プロキックボクサー&プロボクサー、柔道整復師。
登録者45000人程のYOUTUBE格闘技チャンネル運営。格闘技についての知識や技術を「楽しく分かりやすく解説」
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